
2007.07.30
[金子一馬]
金子一馬のマルカジリ日記 Vol.10
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続けざまに「心霊写真」についてあれこれと書いていたら、ちょっと思い出した事
がある。
小学校時代に「林間学校」(時代や地域によって名称は変わるかも、中学、高校
で言うところの修学旅行みたいなやつ)というのがあるけど、だいたい公立の
小学校だと地域ごとに行く場所が決まっているもんですが、金子のところは
「日光」だったんですよね。
もちろん「林間学校」なので「日光」の観光スポットをあちこち廻るのですが
子供的にはそれはもう観光スポットでは無く、心霊スポットだったんですよね。
「日光」と言えば「戦場ヶ原」、「中禅寺湖」と名だたる心霊スポットがあるのです
が 中でも名所と言われるのが「華厳の滝」。何やら自殺の名所らしいのですが、
それも昔の事で現代では飛び込む人はいないようです。
しかしそこは子供の稚拙な情報収集能力で、数少ない情報ソースである
TVの心霊特集や怖い話本に「ここは自殺の名所で現在でも絶えず迷える人を
飲み込んでいる、この世に未練がある霊がそうさせているのだろうか?」と
書いてあれば、ここはもう確実に出る!、「心霊写真」が撮れる!場所になって
しまっているんですね。
で、もちろんこの「華厳の滝」の前で集合写真を撮るわけですが、同時に引率の
先生が生徒達がはしゃぐようすをスナップ写真として撮っているので、相当数の
写真が撮れている事になります。
その後「林間学校」から帰って、その時の写真が現像されてくると教室の中は
「オレの写真のバックの滝に人の顔が!」とか「集合写真の人数分より手が
一本多い!」とかでもう大騒ぎ。
よく見れば滝にある人の顔は、例の点が三つあれば人の顔に見える方式で
まあ確かに”霊”と言えば”霊”に見えるけど…といった感じだし、集合写真の手
が多いのも誰かが無理して変なトコから手を出してるだろコレ!(つまりイタズラ)
という感じで無理やり「心霊写真」にしちゃっている感じ。
そのうちに調子のイイ奴が「そういやオレこの写真を撮る時、背後に異様な気配
を感じたんだよね」とか言い出すと「やっぱりー実はオレもー」と同調する輩も
現れて「心霊写真」としてのリアリティがますます高くなっていくんですよね。
まあこの「林間学校」で撮れた「心霊写真」が本物かどうかは別にして、面白い
のは写真を見て心霊だなんだといって騒いでる大勢の生徒たちの中には
「林間学校」に行く前はほとんど話もしなかった者同士が仲良く”霊”を捜して
いたりする事。
「林間学校」というのは子供達にとって普段、学校にいる連中とずーっと一緒に
いる事になるので楽しい行事である反面、普段みんなには見せたくない隠して
いる一面、例えばいつもは威張っているけど実は怖がりとか、逆に普段は
おとなしい子なのに以外と頼りになるとかそんな一面が見れる行事でもあります。
その上、今までの生活とはまるで違う場所に放り込まれる事になるので、
子供達にとっては普段の日常がリセットされたちょっとした”非日常”空間になる
訳ですよね。
そんな”非日常”空間で子供達は普段のように平静を装いつつ自分のスタンスを
確立しようとするのですが、中には子供の稚拙な情報収集能力で得た聞きかじり
の”お化け”や”心霊”の話をマジで信じている子もいたりして、昼はいいけれども
夜はやっぱり怖い。
そこでそんな恐怖心をあえてお互い口に出して語り合うことで、恐怖心を薄める
事を始めるのですが、その結果、今まで話もしなかった者同士が仲良くなったり
するんですよね(まあ夜の大告白大会というのもあるけどね)。
だとすると「林間学校」の主な目的は集団で旅行、宿泊する事での団体行動の
修練が目的の行事ですから、”お化け”や”心霊”たちはこの行事の目的に一役
かっている事になりますよね。
ぶっちゃけ、”お化け”や”心霊”は存在するかどうか解らない(と言うかどちらか
と 言えば存在しない)ものです。
人間というのは集団で安定した日常から”非日常”空間に放り込まれると、安定が
無い為にちょっとしたパニックになりますが、集団の安定を取り戻す為には何か
集団としての目的を持つことが一番です。例えば何か目標を立ててその目標の
達成を目的にするとか、集団にとって共通の敵を作るとか。
もしそういったモノが無ければ”お化け”や”心霊”が一番都合がいいんですよね。
何しろ実体が無いんですから、誰にも迷惑をかけずに”お化け”や”心霊”を回避
するという目的で集団がまとまる事が出来ます。
実は人間は古来からこの”お化け”や”心霊”(時には神さま)を何かにつけ、都合
良く使ってきたのですが、子供達も知らず知らずのうちに同じ方法を取っている
という事かも知れませんね。
余談だが日光は「日光江戸村」(現在は「EDO WONDERLAND」に改名)が
意外と面白い。
浦安にある夢の国にはネズミさんやアヒルさんがブラブラと歩いているが、
「日光江戸村」では同じ調子で時代劇に出てくる町人や町娘、さらにはお侍さん
や岡っ引きがブラブラしているのだ。
何か変な感じで面白いぞ。
[金子一馬]
◆「女神転生」シリーズに登場するキャラクターや悪魔のデザインを手掛けており、「悪魔絵師(電脳悪魔絵師)」の別名を持つ。
「デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団」原案・アートディレクション
「デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王」プロデューサー・キャラクターデザイン
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