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2007.08.13  [金子一馬]  金子一馬のマルカジリ日記 Vol.12
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※「アトラスネトラジVol.2」にて金子一馬出演!
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前回、TVで見た”ゾンビ大好きっ子”の話をしましたが、
実は金子も”ゾンビ大好きっ子”なのです。
どうして好きになったかと言えば、やっぱり映画からなんだよね、
という事で今回からオススメのゾンビ映画を紹介するぞ!。

まずは「ゾンビ」と言えばこの人、
ジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」シリーズ。

・「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」
 (1968年 原題=NIGHT OF THE LIVING DEAD)
 これ以前の映画に登場するゾンビは何者かに操られているブードゥー型か
 何かに執着するあまり死ねなくなった死霊のようなタイプが主流であったが、
 ただ単にもくもくと死体が蘇り人肉を求めて彷徨い歩くようになったのは
 この作品から。頭を破壊しない限り倒せない等の現代型ゾンビセオリーもこの
 時点で確立されている。
 基本的にゾンビから逃れるために立てこもった一軒家で展開する話であるが
 TVのニュースで全世界的に同様の事件が起きている事を知らせる手法で、
 何となくスケールのデカイ話と思わせるあたりが上手い。同時にそんな狭い
 空間で展開される決して美しくない人間模様も、全世界的に起きてるんだろう
 なあと想像できていい感じ。
 ちなみにモノクロ作品であり、よけいな編集を加えたバージョンも存在するが
 とりあえずオリジナル版を観ておけばいいだろう。

・「ゾンビ」
 (1978年 原題=DAWN OF THE DEAD)
 これ以前はゾンビの事を「ゾンビー」と表記する事が主流であったが、この作品
 以降、「ゾンビ」という表記が主流となった。同時にゾンビは脳を破壊しない限り
 倒せない、食料はゾンビ以外の人肉、ゾンビに噛まれると”ゾンビ菌”に感染し
 てゾンビになってしまう、ゾンビは生きていた時の習慣にそって行動するなどの
 現代型ゾンビセオリーを完全に確立している。
 今回は巨大スーパーマーケットを上手く占拠してかりそめの平和を手に入れる
 人々を描いているが、そんな平和を破壊するのはゾンビではなく”狂った人間”
 というあまりにも良く出来た展開の為、これ以降のゾンビ映画はこの作品とは
 違う方向でゾンビをアピールするか、もしくは模倣するかしか無くなったという
 罪作りな作品でもある。
 ちなみにこの作品も編集の違いなどで複数のバージョンが存在するが
 ジョージ・A・ロメロの「米国劇場公開版」かダリオ・アルジェントが編集して
 音楽をゴブリン(ダリオ・アルジェント作品によく使われるハードロックバンド)
 に差し替えた「ダリオ・アルジェント版」を観ておけば間違いないだろう。 

・「死霊のえじき」
 (1985年 原題=DAY OF THE DEAD)
 今回は軍の地下基地に立てこもる軍人と科学者グループの人間模様を描いて
 いるが、何より秀逸なのはゾンビを飼いならそうとするマッドサイエンティストが
 登場する事、ゾンビという”現象”に対してそれに対する人間の対応がステップ
 アップしているのが面白い。
 なお、この作品は脚本の段階では地下基地に立てこもる前に軍隊と地上を
 席巻するゾンビたちとの大規模な戦闘シーンが用意されていたが、大人の事情
 (スポンサーの予算の出し渋り)のせいでカットされてしまい、実際に映画に
 なったのは脚本の後半部分のみらしい。
 どういった展開で地下基地に立てこもる事になるのかとか、軍隊とゾンビの戦闘
 シーンってどんなのだったのかとか観たかっただけに残念。

とりあえずコレを観ておけば間違いない!と言うより観ておかなければいけない
この三作品。
原題のタイトルからも解る通り、夜→夜明け→次の日と時系列的に繋がっており
「ゾンビ三部作」と呼ばれている。
少しずつ「ゾンビ」に侵略されていく人間社会を描いているこの三作品だが、
何よりイケてるのは「結局、人間にとって一番怖いのは人間だよね」って事を
描いているところ。
このテーマは「真女神転生」シリーズでも共通のテーマになっているので、
”メガテニスト”の皆さんには是非、観てもらいたい作品である。
ちなみに関連作品として

・「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世記」
 (1990年 原題=NIGHT OF THE LIVING DEAD)
 68年製作の同作品のリメイク、監督は「ゾンビ」で特殊メイクと自ら暴走族や
 ゾンビの役を演じた「トム・サヴィー二」が担当。
 旧作では泣き喚き逃げ惑うだけだった女性が積極的にゾンビと対決するように
 なるなど、現代的アレンジが秀逸。またその女性曰く「ゾンビはトロトロと歩いて
 いるだけだから走れば大丈夫」という、それを言っちゃあーオシマイよ的な
 それまでのゾンビの最大の弱点とその攻略法をを露わにした作品でもある。

・「ドーン・オブ・ザ・デッド」
 (2004年 原題=DAWN OF THE DEAD)
 78年製作の同作品のリメイク、監督はザック・スナイダー。
 上記の「死霊創世記」でゾンビの弱点がバレてしまったせいか、近代のゾンビは
 動きの早い”高機動型”ゾンビが主流となりつつあるようだ。
 「ゾンビ」のリメイク版である本作も当然のごとく”高機動型”なのだが、
 ダッシュで 追いかけてくるさまはゾンビというよりさながら「狂人」のよう。
 これはゾンビを「狂った集団」になぞらえ、現代的な恐怖を描こうとした狙いで
 あるが、2002年に製作されたイギリス映画「28日後…」でも同様の表現
 (と言うよりこちらはゾンビでは無く、まさにウイルスによって狂った人たち)をして
 いるのが面白い。

・「ランド・オブ・ザ・デッド」
 (2005年 原題=LAND OF THE DEAD)
 御大ジョージ・A・ロメロ監督による、ゾンビ三部作の正当な続編。
 こちらは正当な続編なのでゾンビたちも”高機動型”ではなく旧来の動きの遅い
 タイプなのがちょっと嬉しい。
 今回はすでに地上がゾンビだらけになってしまい、残った人類は四方を川と
 防御壁で囲まれた要塞のような町を作って暮らしているところから始まる。
 しかしこの町は富裕層(支配者層)と貧困層に分かれた町であった…。
 と、これまた最近の世相を凝縮したような設定にゾンビが絡んでくるのだが、
 今作では「死霊のえじき」から続いてゾンビもさらにステップアップし、指導者的
 ゾンビが現れてゾンビたちをまとめ始めるなど見所も満載。
 一方、人類は何をしているかと言えば相変わらずな所を皮肉たっぷりに描いて
 いるのでその辺りを見て欲しい。
 
と、こんな感じ。
これを読んでる人の中には夏休みの人も多いはず、まだまだ暑い夏の夜に
ゾンビ映画鑑賞も悪くないんじゃないかな。

次回はコメディタッチのゾンビ映画を紹介するぞ。

[金子一馬]
◆「女神転生」シリーズに登場するキャラクターや悪魔のデザインを手掛けており、「悪魔絵師(電脳悪魔絵師)」の別名を持つ。
「デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団」原案・アートディレクション
「デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王」プロデューサー・キャラクターデザイン

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