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2007.10.09  [高田慎二郎]  ディレクター高田のグローランサーVI日記 Vol.21
こんにちは。グローⅥのディレクター、高田です。

さて今回はグローⅠの誕生苦労話のうち、
戦闘システムが出来るまでについて、書いてみようと思います。
自分が立案したゲームで、グローⅠが初のRPGだったため、
システム面で色々と悩むことが多かったのです。
その中でも特に戦闘は、当時、参考になるようなゲームが無く、
最初のコンセプト決めから、実際の細かい問題対応まで
最も苦労をしたパートでした。
そのため、思い出というか苦労話もテンコ盛りです。w

まず、それまでSRPGをずっと作り続けていたので
グローⅠでは『SRPGにある戦闘での演出や戦術性を入れ、
他のRPGとの差別化を図ろう』と考えていました。
街の人を助けたり、逃げる敵を回り込んで追っかけたりする戦闘なんて
普通のRPGでは出来ないので、そこを楽しんでもらえればと
思ったわけです。
というわけで最初の頃に考えていた戦闘システムは、
SRPG的なターン制になっており
1ターンごとに命令を入れ、しかも通常のSRPGとほとんど操作自体も
同じ感じになっていました。
確かにこれなら、SRPGのノウハウが活かせるため、
戦闘シーンが手堅いものになりますが……。
RPGとして考えたとき、これじゃダメですよね。(苦笑)
RPGは多くの戦闘をこなすので、毎回SRPGのような命令入力をするのは
非常に面倒臭いし時間もかかるという、致命的な問題が出ます。
しかもSRPGが苦手な人は、その操作方法を見ただけで
買わないだろうと予測できますし…。

というわけで、さんざん悩んだ末、リアルタイム的な戦闘システムに
変更する決断をしました。
決断というと大げさな感じがするかと思いますが…。
当時のSRPGは、マス目型+非リアルタイムで遊びが確立されていたため、
「マス目がないSLG的な戦闘で戦術が出せるのか?」
「リアルタイム的な状態で、細かい戦況把握が出来なくなる」
という変更後の戦闘システムが、本当に面白くなるのかどうか、
絶対の確信が持てなかったわけです。
この変更によって、従来のSRPGと比べると
戦闘が大ざっぱな感じになり、特に緻密な計算をする戦術性が
薄れてしまうのは確実ですから…。

ですが、グローの戦闘シーンで最も見せたい物は何か?と自問自答し、
緻密な戦術性ではなく、先ほど例に出したような演出と戦術であると再確認しました。
それであるなら、通常のSRPGの法則に縛られる必要はなく、
RPGの操作や感覚に近く、かつ見せたい物を見せられるシステムにすべきだという
判断が成り立ちます。
そこで、多少の不安がありながらも、リアルタイム的な戦闘システムへの変更を
決断したわけです。

結果的には、狙い通り、普通のRPGと比べ
一風変わった戦術が楽しめる戦闘になりつつ、さらに従来のRPGに近い感覚で
プレイできる戦闘になったかと思います。

ゲームの企画をやっていると、「このゲームの本質は何か?」という話が
よく出てくるのですが…。
それが決まってないと、アイデアの選択や問題の対処で、間違えた答えを
導き出す危険があると自分は考えています。
なので、もしこれからゲーム業界、特にプランナになろういう方は
こういった考え方もあるんだな〜と参考にしてもらえれば幸いです。
さらに就職先にアトラスを選んでくれると、さらに幸いです。w

…あれ? 先日の橋野ディレクターが書いたような内容になっちゃったかも。
企画者だと、同じような悩みをするものなんですね。w
それでは次回は、実際に戦闘システムを実装しながら発生した
様々な問題と、その対応を書いてみたいと思います。
でもみんなは完成系を知っているから、何でそんな事で悩んだの?と
思うかもしれませんね…。w

それでは、また。
[高田慎二郎]
「グローランサー」ディレクター
「グローランサーⅥ」ディレクター
「女神異聞録デビルサバイバー」ディレクター

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