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2007.11.06  [高田慎二郎]  ディレクター高田のグローランサーVI日記 Vol.23
こんにちは。グローⅥのディレクター、高田です。

さて今回はグローⅠの誕生苦労話のうち、
実際に戦闘システムを実装中に発生した様々な問題と、
その対応を書いてみたいと思います。

まずSLGのシステム経験があったとはいえ、
グロー1のリアルタイム風戦闘&マス目無しでは、
これまでと同じような考えではシステム仕様が作れません。
そこで、完成図を想像しながら、あれこれ仕様を書いたわけですが
予想していなかった問題点が出てくるわけです。
今日は、そのうちの2つを。

●足の遅いキャラの後ろに足の速いキャラがいると、おバカな移動をする
これはどういう事かと言いますと…。
足の遅いゼノスの後ろに、足の速いエリオットを配置し、
二人に同じ目標へ向かわせると…。
足の速いエリオットが、ゼノスを追い抜こうとするのですが、
見た目的には「ゼノスの後方をエリオットがウロウロするだけ」になります。
これは製品版でも完全には解決できていない現象なので、試してみて下さいw
理由としては、以下のような処理の流れで起こるわけです。
①エリオットがゼノスに密着。
 ゼノスを障害物として回り込もうと横へ移動し始める
②ゼノスが前進し隙間が出来る
③エリオットが隙間に移動し、①へループ
この現象ですが、思考ルーチンのバージョンアップで解決するのが
諸々の問題で難しいという事になりました。
しかし頻繁に発生していたため、これではイライラしてしまいます。
そこでどうしたかというと、データ調整で解決しました。w
方法は単純。「足の遅いヤツはリーチを長くする」。
すると、パーティーの陣形を決める際に
足の速いキャラを前方に配置するようになるわけです。
(遅いヤツは後ろからでも攻撃が届くので)
また仮に、足の遅いキャラを前にしても、そのキャラはリーチが長いため
早めに攻撃が届きます。
その結果、足の遅いキャラは攻撃硬直でその場へ止まり、
上記の問題②が発生しなくなります。
つまり、足の速いキャラの回り込みが可能になるわけです。
…という、ちょっと変化球気味の解決方法で、
その症状を目立たなくするという例でした。

そして次は直球の対処ですが…。
●使いたいアイテムがバッティングしてしまう
まず前提として、自分たちがそれまでに作っていたSLGには
アイテムを使うという概念がありませんでした。
そこで、魔法と異なり、詠唱時間が無くすぐに使用できるアイテムを
グロー1で採用したわけですが…。
最初のフローは深く考えず、以下のような感じにしてました。
①使いたいアイテムを決定させる
②硬直時間が切れた段階で、アイテムを使用する
これは魔法と同じフローだったのですが、使い方が異なるため
問題が発生しちゃいました。(苦笑)
例えばゼノスが硬直中、たった1つしかない薬草を使ったとします。
しかし実際に薬草を使用するのは、硬直が終わった後なので、
薬草を使う予約をしただけになります。
そこでゼノスが実際に薬草を使う前に、もしエリオットが
薬草を使おうとしたら…。
当初は、「先にゼノスが予約をしているため、エリオットは薬草が使えない」
という仕様でした。
でもエリオットが硬直してないとしたら、ゼノスの硬直終了を待たず
エリオットに薬草を使わせたくなって当然です。
そこで、アイテムはアイテムコマンドを予約するだけで
何のアイテムを使うかまでは選べないよう仕様変更しました。
(現状の仕様と同じです)
今思えば簡単な対処なのですが、当時はわりと悩んだ覚えがあります。

こんな感じで、ちょっと変わったシステムをやろうとすると
ゲームが動き始めた際に、想像していなかった問題が出てくるという
苦労話を書いてみました。
もっとも後者の例は、事前にちゃんと考えていれば気付いたかもしれませんが。w

それでは、また。
[高田慎二郎]
「グローランサー」ディレクター
「グローランサーⅥ」ディレクター
「女神異聞録デビルサバイバー」ディレクター

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