
2009.04.09
[橋野桂]
橋野桂の開発通信 Vol.51
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こんにちは。橋野です。
やっと本格的に春っぽくなって参りましたが、
皆さん、お元気でしたでしょうか。
橋野はと言いますと、腰がオワりっぽいです。
姿勢悪く、長い間座ってるからでしょうね…。
仕方ないので、腰痛にいいというウォーキングをしてみたのですが、
限界までバカみたいに5時間も歩き続いたせいで、
腰痛に加えて、足やら、背中やら各所筋肉痛がプラスされました。
こころなしか、腰の痛みも増したように思います^^;
腰痛マスターの副島先生に「痛いときに無理に運動すると、
そりゃ悪化する」と言われ、それもそうだと感心しつつ(笑)、
腰痛持ちの座り方テクを伝授されました。
(なるほど、肘の使い方ってのがあるのか!!
その辺の講座は彼に譲るとして…)
…というわけで、情けない話で恐縮ですが、
お医者に頂いた座薬をそっと握り締め、
春の夜長を、録画しておいた「アメトーク」を眺めながら、
過ごしておったのでございます。
(腰痛芸人? 笑えん!)
さて、ポンコツ開発者の腰痛通信は、これくらいにして、
今回より開発通信は、ゲームの企画開発についての、
仕事話を進めてみようかと思います。
近作P4の開発等を思い出しながら、仕事の内容を綴ってみたいと思いますが、
企画や仕様の話を始める前に、ゲーム開発チームの編成や職種など、
について説明してみたいと思います。
とはいえ、開発の内側からの視点、個人的な視点を交えてのものになりますので、
この手の情報をちゃんと知りたい方は参考程度に留めて下さい。
また、聞きなれない言葉を使ってしまうかもしれませんが、諸々ご容赦くださいね。
【開発のセクションについて】
アトラスの場合、ゲーム開発スタッフは、
大きく4つのセクションに分かれてます。
1)プランナー
2)デザイン
3)プログラム
4)サウンド
…ですね。他の会社も似たような感じだと思います。
(※他に、マネージメント職というのがありますが、
これは進行管理上の様々なサポートをする役職になります)
開発職としては、4つの職種のスタッフが、それぞれ集まって、
1つのチームを作っているのです。
では、まずは「プランナー」とはどんな仕事なのか紹介していきましょう。
【プランナーはかなり面倒な職種かもしれない】
プランナーというと、ゲームを企画する仕事…と思われる方が多いかもしれませんが、
一般的には、ゲームの仕様(細かいルール)を書いたり、
数値やテキストのデータを作成したり…という仕事をしています。
デザインやプログラムなどに仕様書で作業のリクエストをするので、
ちゃんとした仕事をするならば、ある程度の幅広い知識や経験が必要で、
また、ゲームアイデアを出したり、テキスト(セリフなど)を起こしたり、
ゲームのバランスの調整をしたり…と、ゲームプレイの面白さに直接関わるセンスも必要なので、
1人前になるには、かなりいろいろと面倒な職種かな…と個人的には思います。
仕様を作るためには、その仕様に関わることになるプログラムやデザインとの、
交渉や相談などが必要で、そのあたりの技術もないと難しいかもしれませんね。
【プランナーの役割や人数は、会社によって違うみたい】
さて、プランナーという職種ですが、会社によっては、
このセクションが、そもそも存在しないケースもあるようです。
また、セクションはあっても小規模のチームなどは、ディレクターが全て仕様を作成し、
実データなどはプログラマが行うこともあります。
デザインやプログラム、サウンドセクション(あるいは担当)がないという話は、
聞いたことがないので、そういう意味では、プランナーという職種は、
状況によっていろいろだ…ということですね。
そういえば、こういったセクションの有無は、それぞれの会社の方針もあるでしょうけど、
もともと何を得意としてきた会社なのか…で違っている気もします。
例えば、アトラスのセクション分けというのは、
要するに、RPGを作るためのセクション分けと言っていいかもしれません。
RPGの場合、数値データやテキストデータ、マップデータなど、
ゲームプレイにおいて、外(プログラムの外)で専門に作成・調整したほうが、
効率が良さそうなデータが山とある為に、それ専門のセクションが必要だったのだと思います。
(P4チームの場合、全スタッフの約1/4程度がプランナーでした)
もしかすると、案外、このセクションという組織分けが、
ジャンルの得意・不得意を分けている一因になっている気もします。
作ろうとするゲームのジャンルによっては、同じ会社の同じ開発組織であっても、
それぞれに適した形をとる必要があるのかもしれませんし、
同じ組織だからこそ、伝統がスタッフに受け継がれいくことを育んでいる…のかも。
つまり、工程上、プログラマやデザインスタッフがプランニングを兼ねる方が、
作りやすいと考える組織(ゲームジャンル)では、プランナ専任は不要ということです。
ただ、昔と違って、最近は、ほとんどのゲーム制作会社に、プランナーという職種があるみたいです。
シナリオの設定を専任で必要とするようなゲームが多く作られるようになったからだと思いますが、
RPG等の制作ほどはスタッフ数は多くなくとも、活躍の場は拡がっているように思います。
【プランナーの心得?】
プランナーは専門知識をさほど問われないため、
専門の勉強をしていなくても業界に入れる職種だと思います。
ただ、プランナとして、いまいちだった場合、
専門知識や技術の問題で、他セクションに配属替えというのは、
なかなか難しく(アトラスでは聞いたことないです)、
ツブシがなかなか効かない…というリスクがありますので、
生涯、企画屋として気合で生きていく覚悟と自信が必要かもしれません。
ただ、うまく経験を積めれば、ゲームプレイの内容(仕様)に直接的に関わることになりますので、
好きでやる前提で、幸せになれるかもしれません。
というわけで、プランナーという職業を簡単にいうならば、
「ムズいし、キビしい。好きなら仕方ない」という感じでしょうか。
といっても、橋野も含めて、うちのプランナー全員が、、
上に書いた、あれこれの全てを見事にこなしているわけではありません(^^;
(これを見事にこなしている人など、見た記憶はありません)
テキストはうまいけど、プログラム的な思考は苦手…とか
その逆とか、当然、いろいろと得意不得意があるので、
皆それぞれに苦労しながら、得意な分野を伸ばしつつ、
苦手な分野を克服しながら、経験を積んでいます。
ゲーム開発のプランナーという職種は、
切りがなく難しい…というのが、これまでの実感ですね。
【ペルソナチームのプランニングのやり方】
ところで、ペルソナチームでは、面白さの決め手となる大きな箇所を中心に、
提案、相談だけでなく、セクションに関係なく、仕様についてアイデア出しを行い、
スタッフが参画していくような開発環境を意識して作るようにしています。
手前味噌ながら、この方が、開発に一体感が生まれるし、
実際に良いアイデアが生まれることも多いように思います。
ブレストやアイデア出しというのは、制作都合や仕様の限界、
上司の指示内容を共有している担当者だけが集まってもいいものが出ない場合が多く、
半ば無責任な思いつきの提案が、議論を面白い方向に導くこともあるんですね。
ただし、大勢の意見を聞きながら、それを選別して仕様に落としていくのは、
やはりプランナーの仕事です。こういった様々なコントロールを含めて、
ディレクターの指示の元に、ゲームの内容を決めていく先導役がプランナーなのです。
ちなみに、橋野はプランナ上がりでディレクターを担当させてもらってきたので、
その前提の経験で今後、書かせて頂ければと思います。
(なんて長い前置きでしょう^^;
ただ、作業経験の性質上、これまでディレクターはプランナ上がりが多かった気がします。
全体のゲーム仕様を作りつつ、プランナーに各所の仕様をお願いしながら、
デザイン面など、他の部分についても方向性や指示を出していく…というスタイルですね。
(P4をはじめ、橋野が担当させてもらってきた作品は、大体こんな感じで進めています)
とはいえ、仕様の良し悪しを決めるセンスというものは、
開発経験も大事ですが、ゲームへの考え方によるものも、とても大きいのです。
近年のアトラスではゲーム内容の試行錯誤をセクションに関係なく、
知恵を出し合う風土が続いていることもあって、
ディレクターにも、デザイン上がり、プログラマ上がり、サウンド上がり…
と様々に活躍の場が拡がってきています。
このディレクター(&プロデューサー)という職種については、
各セクションの話の後で、お話したいと思います。
長くなってきたので、続きは次回、「プランナーの苦難」編で。
興味があれば、覗いてみてください。
ではー。
[橋野桂]
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