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2009.04.27  [橋野桂]  橋野桂の開発通信 Vol.52
こんにちは。橋野です。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、
先週末、ファミ通アワード2008というイベントで、
ペルソナ4が、優秀賞に選ばれ、
チームを代表して表彰を受けてきました。

ファミ通アワードといえば、2年前も、前作ペルソナ3で、
同じく優秀賞を頂いたので、2作連続ですね。
チーム一同で、とても喜んでおります。

ユーザーの方々の投票によって受賞が決まるということで、
皆さんに作品を支持してもらったおかげで、
このような機会を頂くことができました。
もっとがんばらねば・・・と、日々の開発の励みとなります。
応援してくれた方、本当にありがとうございました!

頂いた優秀賞には、作品それぞれで賞名がついており、
P3のときは「RPG賞」、
P4では、「PlayStation2 game prize」という名前で、
頂くことが出来ました。

時代の流れを感じつつも、旧ハードのリリースであっても、
皆さんに支えられ、愛してもらえる作品を作ることが出来たのだなぁ・・・と思います。

チームとしては真3からお世話になった、PS2というハードに感謝をしつつ、
PS2時代が、良い通過点になればいいなぁと思います。

シリーズの今後や、新しいチャレンジを、新しいハードと共に、
チーム一丸で取り組んでいこうと思っています。
どうか、これからも宜しくお願いいたします。



…さて!

前回より開発通信は、ゲームの企画開発についての、
仕事話を進めておりますが、今回はプランナーの後編(続き)です。
では、いきなり始めます。


【プランナーの苦難】

ゲームプレイの仕様を先頭で提案するのがディレクターや、
その元にいるプランナーですので、追加仕様が発生しそうな、
イマイチな箇所に気づき、修正を提案しなければならないのも、
ディレクターは当然として、プランナーの仕事の一つです。

作業上、おそらくもっとも難しいのが、この「修正のリクエスト」でしょう。
ゲーム開発に限らず、モノづくりに関しては、
「マズいところを直せるかどうか」で、完成度が全く変わるからです。

特に重要なのは、その「マズさ」は、最初から予測が付くことなのか、
やってみないとわからない複雑な問題なのか・・・という分類の判断です。
前者が多い場合、調整時間を無駄に食うので、クオリティは上がりませんし、
チームの士気も下がります。ですので、開発者が第一に考えなければならないのは、
前者に関しては仕様段階で潰しておき、調整時期に、もっとも効率よく、
クオリティが上がっていき、尚且つ、チームの士気も上がる後者の問題だけを残すことです。
様々な開発経験を積んでいくと、この比率を大きく後者ヨリにしていくことが出来ます。
ただ、上記のようにあらかじめ計画された修正・変更可能性点以外にも、
問題点は山のように発生するものなんですよね…。

修正をお願いされる側は、そもそも、予定になかった作業だし、
開発終盤ならヘロヘロで、その修正を行うことで、他の作業が出来なくなります。
大体の場合「わかりますが…難しいですね」というレスを浴びることになりますが、
これは仕方のない反応です。予定外の対応は、スケジュールの遅れに繋がり、
スケジュールの遅れというのは、様々な理由で、いいことはありません。
普通は、時間をかければ、その分、面白くなるはずだ…と思う方もいるでしょうが、
ゲーム開発の場合、「原因」によっては、必ずしもそうなるとは限らないのです。
開発チームは人の集まりですので、長期の開発中、集中力をうまく持続できたかどうかが、
最終的なゲームの出来を、大きく左右するように思います。
短すぎてもダメですが、逆に長すぎてもダメなんですね。

話を戻すと、経緯はどうあれ、イマイチな仕様を最終的に切ったプランナに
責任があるという空気に多少なります。空気ですよ。あくまで。
皆、オトナですので、ケンカなんかしません(最近は^^;)。


【仕様修正の為の秘訣】

追加仕様の規模がどうあれ、イマイチな箇所があるということは、
ゲームがつまらなくなってしまうということなので、
当然、放置出来ない箇所になります。

だからこそ、追加仕様のリクエストは、
プランナーにとって、重要な局面になります。
要するに「ピリピリムード」です。

このとき、前回お話した「皆で参画し合って決めた仕様」なのかどうかが強く影響します。
これは、皆で決めたから皆で責任を取るべき…というような話ではなく、
皆で目指した面白さを、なんとか修正して実現したい…
という「前向きな空気」を自然に生んでくれるからです。

この空気さえ出来ていれば、現実的にクオリティーアップが望めます。
あとは「限りなく少ない作業で、最大限の効果を発揮する修正案」を導き出すだけです。
ここは、開発経験がモノをいう箇所で「こうすれば比較的簡単な対処で済むし、
ゲームプレイも良くなる」という提案、更に欲を言えば、
「その対処で、見えていなかった別の問題も解決する」といったような
“効率の良い案”を短時間で考える必要があります。
ディレクターやプランナーは開発中、常にこういった細かい問題を複数抱えながら過ごします。
(もちろん、他のセクションもゲームルールなどの仕様以外で、抱えながら進むわけですが)


【プランナーに向く人】

そういう意味で、面倒な問題を抱えることが苦痛だったり、
考えること自体が好きではない人は開発職や、この職種には向かないと思います。

ちなみに橋野の場合、考えなくてはならないことが発生すると、
たしかに面倒で困ったな…というストレスもあるんですが、
反面、「問題キタ」と高揚することにしています。
不安を吹き飛ばすには高揚するしかありません!

でも、問題が、なんとか現実的な範囲で解決できたとき、
皆で「それなら直せる。しかも、面白くなりそう!」と確認し合えるときの“感じ”は、
チームならではの達成感があって、すごく好きですね。

一般的に、企画という仕事には「発想力」が必要だと言われているような気がしますが、
発想力は、ゲームの起案時よりもむしろ、開発中の問題への有効対処において、
特に必要になってくるように思います。制作の様々な都合の糸でがんじがらめの、
「難解なパズル」を解く感じ(?)なので、発想力という言葉が適切なのか微妙ではありますが。


【プランナーの話だけで、長くなってしまいました】

内容的にリクルート向けの話になってしまったような気も致しますが、
時期的に、わざとではありません^^;
あくまで、アトラスの話なので、他の会社のプランナーの事情とは、
異なる部分も多いかと思います。

どこの担当であれ、職種であれ、
ひとつの作品を仕上げていくことへの気持ちを共にして、
チーム一同で頑張っておりますので、
作品の応援の方も、引き続き、宜しくお願いします。

(続きは次回。デザイナーについて、経験ないのに勝手に語る…の巻)

ではー。

[橋野桂]
◆「真・女神転生III-NOCTURNE」「ペルソナ3」「ペルソナ3フェス」「ペルソナ4」ディレクター

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